剣道の稽古を楽しくやるための遊びを取り入れた練習方法!

剣道の稽古を楽しくやるための遊びを取り入れた練習方法!

 

 

剣道の稽古はハッキリ言って、
楽しいものではないと私は思っています。

 

 

もちろん練習して上手になって楽しい。
新しい技を教えてもらえて楽しい。
先輩から一本とれて楽しい。

 

 

そういった楽しさはありますし、
それが無くては続けていくことも大変です。

 

 

ただ、普段の稽古はピリッとした雰囲気で、
肉体的にも精神的にもかなり追い込まれる、
そんな状態が普通だと思います。

 

 

厳しい稽古に、一部分だけ遊びを取り入れて、
生徒同士がワイワイ取り組むことができる。
そんな練習を夏休みや冬休みなどの長期休暇に、
私は積極的に取り入れるようにしています。

 

 

正直言うと練習効果がすごくあるかは分かりません。
しかし、「楽しい、面白い」といった気持ちというのは、
全ての物事の上達に必ず必要です。

 

 

今回は厳しい稽古の中に少しだけ取り入れてもらいたい、
遊びを取り入れた稽古方法を紹介します。

 

 

なぜ楽しい稽古を取り入れるのか?

 

 

まず大前提の話になりますが、
楽しい稽古=楽な稽古
という訳ではありません。

 

 

もちろんかかり稽古や追い込みなどと比べると、
楽に感じる稽古だと思います。
しかし、楽だから楽しいという気持ちでは、
この稽古の意味が半減してしまいます。

 

 

人間は新しい情報が入ってきた時に、
まず好きか嫌いかを判断するそうです。
好きな情報についてはすんなり脳に入っていき、
嫌いな情報は入りにくくなるそうです。

 

 

これは脳科学的にも証明されており、
やはり楽しみながらやっている稽古の方が、
効率よく上達していくようです。
そのために遊びを私は取り入れているのです。

 

 

この「楽しい」の感情が楽(らく)からくるものでは、
ただ気持ちがだらけてしまうだけで、
身体や頭にすんなり入ってきません。

 

 

何よりも遊びを真剣に行って、
興味を持って心から楽しむことが、
大切になってきます。

 

 

遊びを取り入れた稽古を私が取り入れるのには、
他にも理由があります。
それは生徒達が休憩時間にも、
自らその稽古に取り組むようになることです。

 

 

本当に楽しかった遊び稽古の時には、
生徒は稽古終了後もお互いにしゃべりながら、
勝手にその稽古を続けてきます。

 

 

稽古の中で「振らされている素振り」100本より
「自らの意志で振る素振り」10本の方が、
練習価値が高いと私は感じています。

 

 

まず意欲が違いますし、プラスαの稽古は、
定着率も高い印象があります。

 

 

稽古の外でも生徒が勝手に練習して伸びてくれれば、
私としてもこれほど楽(らく)で楽しいことはありません。

 

 

遊びを取り入れた稽古方法の紹介

 

 

いくつか遊びを取り入れた稽古方法がありますが、
今回は以下の2つを紹介したいと思います。

 

 

1 動体視力アップ?パンチングボール

 

2 叩いて避けてジャンケンポン

 

 

タイトルからしてふざけていますが(笑)
順番に見ていきましょう!

 

 

動体視力アップ?パンチングボール

 

 

あるテレビ番組を見ていた時に、
ボクシング世界チャンピオンの、
長谷川穂積選手の練習方法が紹介されていました。
ここからヒントを得てやったものです。

 

 

長谷川選手の映像については、
下の動画をご覧ください。

 

 

 

ゴムひものくっついたテニスボールを拳で叩いて、
戻ってきたテニスボールをまた叩く。
これの繰り返しを行うだけの単純な遊びです。

 

 

動体視力というのは鍛えないと伸びません。
また、自分に向かってくる竹刀に対して、
しっかりと反応するというのも、
この遊びの中で培うことができます。

 

 

さらに、やってみると分かりますが、
かなり集中して行わないと上達しないので、
集中力を培う効果も期待できます。

 

 

最初はキャップの帽子で行いますが、
慣れてきたら、面金に直接つけて、
面をかぶった状態で行います。
面をかぶると難易度が跳ねあがります。

 

 

かなり難しいように感じますが、
「家で練習して来いよ!」
と言って、1週間後に見ると、
ほとんどの生徒は上手にできるようになっています。

 

 

単純な遊びなのですが、気軽にできて、
特に男子生徒は夢中でやってきます(笑)

 

 

このテニスボールパンチングボールですが、
中古のテニスボールと100均のゴムひもで、
1個当たり60円くらいで作れます。

 

 

作り方も簡単で、慣れれば3分で1個作れます。

 

 

テニスボールにカッターでギコギコと、
2センチほどの切れ込みを入れます。
ノコギリのように何度も動かすと、
意外と簡単に下のゴムまで切ることができます。

 

 

100均の丸ゴムを70〜80センチに切って、
片方をキャップにつけられるよう、丸くなるように結び、
片方を3回結び、大きめの結び目をつくります。

 

 

最後に大きめの結び目を、テニスボールの穴に入れれば、
テニスボールパンチングボールの感性です。
中古のボールだと、最初中から臭い水が出てくるので、
ご注意くださいね(笑)

 

 

動体視力のトレーニングなので、
これでどれだけ練習効果があるか分かりませんが、
生徒が夢中でやっている姿を見ると、
決して無駄では無いと感じます。

 

 

特に初心者の生徒にやらせると、
相手の竹刀への反応が良くなっているのを感じます。
まあ気のせいかもしれませんが・・・。

 

 

叩いて避けてジャンケンポン

 

 

こちらは単純です。
向かい合って構えた二人に、足でじゃんけんをさせます。
勝った方が打突し、負けた方は竹刀で避けるだけです。

 

 

簡単なように感じますが、足元を見て、
すぐに行動に移すのが意外と難しいです。
また、チョキの足からならいいのですが、
グーやパーから打突に移るのも難しいです。

 

 

慣れてきたら、
グー・・・面
チョキ・・・胴
パー・・・小手

 

 

勝った時の打突場所も変えてやっていきましょう。
瞬発力と、状況判断を鍛える稽古方法です。

 

 

こちらも稽古後にわざわざ面をかぶって、
このゲームをやる生徒が毎年いますので、
生徒にはけっこううけているようです(笑)

 

 

とっさの判断は剣道で大切なことです。
考えるの以上のスピードで身体が動く状態にするには、
中々良いトレーニングだと思っています。

 

 

こちらも効果のほどは分からないですけどね・・・(笑)

 

 

最後に

 

 

自分の子どもの身体能力を上げたいと思い、
私が色々とトレーニングをさせようとしましたが、
最終的にいきついたのは、遊ばせることでした。

 

 

遊びで楽しくやっていれば、放っておいても、
勝手にぐんぐんと身体能力が上がってきます。
中学教師を続けていく中で、年々子どもの
基礎体力が落ちているのを感じています。

 

 

小さいころの遊びの経験が、私たちのころと比べると、
圧倒的に少ないのが原因だと思います。

 

 

中学生からでも楽しく遊びの中で、
しかも剣道を通しながらやってくれれば、
確実に身体能力は上がっていくでしょう。

 

 

ぜひ厳しい稽古の中に、楽しい遊びを取り入れて、
子どもの能力を伸ばしてい上げて下さい。

 

 

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