剣道部顧問として考えていること【指導者の考え方】
教員として20年間、剣道部顧問として10年間過ごす間に、
私なりに剣道部の顧問としての軸ができてきました。
剣道部の顧問になったばかりのころ、
技術指導にばかり目がいっていた時期もありました。
しかし、忘れてはいけないことがあります。
それは私が教師であり、
剣道部はあくまで学校の中の活動であるということです。
ここをきちんと理解していないと、勝利至上主義になり、
生徒を本当の意味で成長させることができなくなってしまいます。
試合で勝つことはもちろん大切なことです。
結果が残れば生徒と一緒に心から喜びます。
ただ、もし試合で負けて結果が残らなかったとしても、
部活を引退するときに生徒が
人間的に成長していれば私は何も悔いはありません。
何をもって人間的に成長したかというと難しいですが、
挨拶や返事、人への心配りなど、
最初はできなかったものが、
生徒の身になっていればそれでいいのです。
そして生徒が引退した後も、剣道部で学んだことを
少しでも人生の役に立ててくれたら、
これ以上ない幸せだと考えています。
この考え方が今の私の根本を作っています。
もちろん今でも完全にぶれずにやっているかというと、
やはり毎日悩み苦しみ、
時には辞めたくなるほど落ち込むこともあります。
ここではそんな私が部活の顧問として
常日頃感じたり考えたりしていることを紹介していきます。
今の中学生に伝えたいこと
私が剣道部の役割として大切なのは、
生徒たちの普段の生活の中に足りていないものを補うこと
だと思っています。
大人から厳しく指導されたり、
あきらめずに最後までやり抜いたりすることの苦手な子は、
昔より確実に増えています。しかし、
大人になって社会に出た時に、それは通用しないのです。
世の中の考え方が、子どもを大切に守ることに重きを置いています。
もちろんそれ自体は間違っていませんし、
私も生徒たちを大切に考えています。
ただ行き過ぎた守りはただの過保護になってしまいます。
子どももいつか大人になり、
この国を背負って立つ人間にならなければなりません。
ここでは、今の中学生に足りていない部分と、
それをどうやって補っていくか私の考えを書いていきます、
剣道部について思うことあれこれ
部活を続けていく中で、大切なのは、
生徒・保護者・顧問この3つの立場が、
お互いを尊重して大切にしあうことだと考えています。
この中の一つでも崩れてしまったら、何かしら問題が起きたり、
時には事件が起きたりもするでしょう。
昔と比べると、部活を続けていくのが難しくなりました。
世間の目も厳しくなりましたし、
色々な制約が出てきました。
また少子化からか、剣道部自体がなくなっていく傾向にあります。
そのため何とか部活として剣道をやりたい人にとっては、
とても大変になってきたと思います。
稽古と部活の雰囲気について
私が今の学校に勤めて9年ほどが経とうとしています。
最初はだらだらしていた生徒たちばかりだった剣道部も、
今ではかなりキビキビと動いて練習ができるようになりました。
まだまだ変えていきたい部分もありますし、
毎年新しい生徒も入ってくるので教えてあげることもたくさんあります。
しかし、やはり最初のころと比べると驚くべき変化です。
私が赴任したばかりのころ剣道部だった生徒が、
今の様子を見るとみんなビックリしています(笑)