初心者の足さばき指導!踏み込みには打突を合わせない

初心者の足さばき指導!踏み込みには打突を合わせない

初心者の足さばき指導!
踏み込みに合わせない?

 

 

 


 

 

私の初心者の指導方法は
道場の先生が行っているものと比べると
かなり異端なものだと思っています。

 

 

剣道の動きの基本は
大きく振りかぶり
打突を踏み込みと同時に行う
というものです。

 

 

私はこの基本を両方なくした状態で
初心者に指導しています。

 

 

こういう書き方をすると
基本を無視しているように感じるかもしれませんが、
そうではありません。

 

 

基本を大切にしたいからこそ
この2つをあえて初心者指導から除いているのです。

 

 

今回はこの指導方法とそれをする理由を書いていきます。

 

 

小さく振って踏み込みをずらす足さばき稽古方法

 

私が色々と試行錯誤した結果、

 

踏み込みがずれた方が体も前にしっかりと出る
ということが分かりました。

 

 

>>気剣体の一致をやめる?に進む

 

 

足の踏み込みではなく足でひきつける瞬間に打突合わせる
初心者練習方法は以下の2つです。

 

 

1 最初は踏み込まずに足を出す練習

 

2 大きくかぶらずに面を打つ

 

では順番に見ていきましょう

 

最初は踏み込まずに足を出す練習

 

 

初心者の子にまず教える時、
竹刀の握り方や素振りから始められる方が多いのではないでしょうか
私の学校ではまず竹刀の握り方と構え方を指導します。

 

 

その後足さばきの練習と右足を前に出す練習をします。
右足を前に出すのは当たり前と思われるかもしれません。
しかし、ただ前に出すだけではなく、
大きく前に出す練習をするのです。

 

 

以下の動画を参考にご覧ください。

 

 

このように股関節が柔らかくなるように
しっかりと足を前に出す練習をします。

 

 

少し違う点は、竹刀は振らず構えたまま踏み込みをしない点です。
剣道でこのような形はあまりとらない
と思われるかもしれませんが、
体をしっかりと前に出すためには必要です。

 

 

この状態でしっかり足や体をキープするためには、
股関節の柔らかさと、しっかりとした体幹が必要です。
この練習によってこの二点がしっかりと鍛えられます。
疲れるので1日15分くらいで終わったほうがいいでしょう。

 

>>剣道に筋トレは必要か?に進む

 

この足の出し方をクセにすることで、
大きく体を前に出す感覚が身に付きます。
これができれば、小さく体を前に出すことは
すぐにできるようになります。

 

 

慣れてきたら左足を前にひきつけながら
竹刀を振るようにします。
ここで足のひきつけに合わせた稽古方法を導入します。

 

 

足の引きつけに合わせて振ることで
素早く竹刀を振るクセがつきます。

 

 

踏み込みは別で練習して
足を前に出して踏み込むだけで行います。
踏み込みの音が鳴るようになったら
足を大きく出す動きに踏み込みもプラスします。

 

 

足を大きく前に出した形でしっかりと踏み込みができる
ことは、剣道をやる上でとても大切です。

 

 

踏み込みについては、踏み込みだけで別に指導します。
その場で踏み込みをさせるのです。この時
膝を曲げて右足が後ろに曲がらないようにしましょう。

 

 

動画のように、踏み込みは必ず右足を前に出して、
体の前で踏み込むようにさせます。

 

 

もちろん普段の稽古においても、
踏み込みの素振り
として動画の素振りを継続的に行うといいでしょう。

 

 

大きくかぶらずに面を打つ

 

 

みなさんが最初に教えてもらった技は何でしょうか。
おそらく大きく振りかぶって打つ面ではないでしょうか。
しかも空間打突(素振りのように空を打つ)
で練習した方も多いでしょう。

 

 

現在私の学校の剣道部では、このような稽古はしていません。
最初にやるのは、手首を使って小さく面打ちです。
しかも空間打突ではなく、必ず竹刀を打たせるようにします。

 

 

これも剣道の通常の初心者指導と異なっていると思います。
これをやっている理由は、
大きく空間打突するという動きが初心者には難しいからです。

 

 

剣道を長いことやっている方は分からないかもしれませんが、
大きく振りかぶって何もないところで竹刀を止める
というのは、かなりハードルが高いことです。

 

 

試しに竹刀の握る手や足の左右を逆にしてみてください。
この状態で大きく振りかぶって空間打突しようとすると
きっとうまく竹刀を振れないと思います。
逆に小さく振って実際に打突をすればそれなりにできるはずです。

 

 

初心者の子は、経験者が手や足の左右を逆にした時と
同じかそれ以上にうまく体を動かせません。

 

 

ただでさえ足さばきがうまくできない上に、
この手の操作まで複雑になってしまったら、
どこかで変なクセがついてもおかしくありません。

 

 

小さく振って実際に物を打つことによって、
足さばきに集中して稽古をすることができます。

 

 

この中で、足を踏み込む前に打突するクセを定着させます。
必ず打突した時に足をひきつけ出すように指導します。
こうすることで、体を前に出して、ひきつけに合わせた
打突ができるようになります。

 

 

もちろん最終的には大きく振りかぶる動きも生徒に教えます。
剣道の基本として大切な動きだからです。

 

 

しかし初心者が最初に取り組む稽古方法としては、
小さく振って足さばきに集中させたほうが
変なクセがつきにくいというのが私の実感です。

 

 

4年ほど前から初心者の最初の指導方法をこれに切り替えてから
確実に変なクセがつく生徒は減りました。

 

 

大きく振りかぶるのが基本ですが、
基本が必ずしも簡単というわけではありません。

 

 

足の踏み込みとずらすという指導と同様、
通常の指導とは大きく違いますが、
もしこれを読まれて興味を持たれた方は導入してみてください。

 

最後に

 

何度も書きましたが、この稽古法は
通常の剣道の考え方の中ではかなり異端です。
私自身それは理解していますし、
生徒にもその旨は伝えています。

 

 

最初の時点で
踏み込みと打突をずらしなさい
大きく振りかぶらなくてもいい
という指導者はほとんどいないでしょう。

 

 

道場に通っている生徒には、
学校ではこうやって教わっていると絶対に言うな
と伝えています(笑)

 

 

踏み込みに合わせるのも
大きく振りかぶることも
剣道において大切な動作だと分かっています。

 

 

私も面をつけて行うようになったら
基本打ちの練習で必ず大きく振りかぶるように指導しています。
大きく振ることで肩が使えるようになって打ちが強くなります。
そういったメリットがあることは十分理解しています。

 

 

しかし、初心者にとっては
この基本のほうが難しいのです。
この基本を最初にやることで
変なクセがつく子も少なくありません。

 

 

今回の話はあくまで初心者への導入方法としての
ひとつの提案くらいに受け取ってもらえるとありがたいです。

 

 

>>弱小剣道部が強くなった秘密

 

 

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