剣道のルールは曖昧な部分がいっぱい【反則編】

剣道の反則の中にも曖昧な部分があるって本当?

反則を知って、試合を有利に動かせ!

 

 

 


 

 

剣道にも反則行為というものがあります。
試合でやってしまいがちな反則行為。
しかしその基準も少し曖昧です・・・。

 

反則にも曖昧なものがあるの?

 

 

剣道の反則について詳しくは別に書きます。

 

 

>>場外などの反則【一発アウト】に進む

 

 

>>場外などの反則【通常反則】に進む

 

 

剣道のルールの曖昧な部分に、いくつかの反則があります。

 

 

「え?反則が曖昧?」
と思う方がいらっしゃるとおもいますが、
これはけっこうどの競技にもあると思います。

 

 

サッカーのファールも審判しだいな部分がありますよね。
その結果、イエローカードや時には一発退場のレッドカードになってしまいます。

 

 

剣道も審判の判断で反則を取られてしまうことがあります。
ただ、剣道の反則は2回やってしまうと相手に一本与えることになるので、
ペナルティとしてはかなり重いものとなります。
全日本選手権大会レベルでもこの反則によって勝敗が決まることがあります。

 

 

中学生の大会で、
審判の判断による反則でよく起こるものは以下の2つです。

 

 

1不当な鍔迫り合いでの反則

 

2時間の空費

 

 

 

 

不当な鍔迫り合いでの反則

 

 

私が剣道部の顧問を始めたころからでしょうか、
鍔迫り合いについて
指導者講習会で厳しくいわれるようになりました。

 

 

高体連では、かなり細かいところまで決まっており、
鍔迫り合いの解消中からの打突も反則になります。

 

 

中体連はそこまで厳しく決まっていませんが、
ここ10年間で鍔迫り合いについての意識は確実に変わりました。
では中学生の大会では、
実際にどのような状況で鍔迫り合いの反則がとられているのでしょうか。

 

 

鍔迫り合いとはその名の通り、
「鍔どうしが、迫り合っている」状況です。

 

 

鍔と鍔が接していないといけないのです。
しかし、初心者で指導をされていない中学生によくあるのが、

 

 

小手のにぎりの部分(小手頭)どうしをくっつけている状況。

この場合はお互いに鍔迫り反則をとられます。

 

鍔迫り合いの位置が高い状態が続く。(胸の高さくらい)

基本は腰の少し上の位置で鍔迫り合いをしないといけません。
この場合もお互いに鍔迫り反則をとられます。

 

小手のにぎりの部分(小手頭)を竹刀につけている状況。

この場合は小手が竹刀にくっついているほうが反則をとられます

 

鍔迫り合い中に、技を出すわけではなく相手をガンガン押す行為

この場合は押している方が反則をとられます。
ちなみにライン際でこれをやると、不当な押し出しになります。

 

 

少し分かりにくかったかもしれませんが、
これが私のよくみる鍔迫り合い反則です。
他にもいくつかあるのですが、割愛させていただきます。

 

 

一番驚いたのは竹刀の柄どうしで
鍔迫り合いをしている生徒をみた時ですかね(笑)

 

 

私の生徒達には、腰の正しい位置で鍔と鍔を合わせて
鍔迫り合いをしようとしていれば、
まず反則はとられないと伝えています。

 

 

また、瞬間的に小手が竹刀にあたったり、
瞬間的に位置が高くなったりしても
反則はとられないことも伝えています。
相手を崩す時には必要な場合がありますからね。

 

 

ここで難しいのは
「瞬間的とはどれくらいなのか」
「鍔迫り合いの位置はどこから高いのか」
という曖昧な部分です。

 

 

また身長差がかなりあったり、
鍔迫り合い中に身体を左右に振ったりすると、
仕方の無い状況もうまれます。

 

 

こういった場合はどうするのか。
これはもう審判の判断次第です。

 

 

一般的に鍔迫り合いの反則の場合、
合議がかかり審判三人の合意で決まります。
しかし、試合を止め合議をかけるのは基本的には主審のみです。
(最近の変更で副審もかけられるようになりました)

 

 

主審の判断によっては、
おかしな鍔迫り合いを継続したまま試合が終わることもあります。
逆に、相手を崩すための動きを反則にされる場合もあります。

 

 

ルール上あるので、審判をする時は、
私もできるだけ気をつけて見るようにはしています。

 

 

しかし、不当な鍔迫り合いが継続したり、ひどかったりしないかぎりは、
できるだけ流すようにしています。
反則によって勝敗が決まってしまうのは、やはりさみしいですからね。

 

 

 

この動画の1:00〜の流れで、おそらくお互いに鍔迫り合い反則をとられています。

 

 

2時間の空費での反則

 

 

 

時間の空費は、分かりやすい言葉でいうと時間稼ぎのことです。
試合の展開によっては、
とにかく逃げ切って試合を終わりたい場面もあるでしょう。

 

 

明らかに自分から打っていかず、
鍔迫り合いを解消しようとせず、相手のうちをよけてばかりいた場合
まず間違いなく「時間の空費」として反則を取られます。
時々お互いに全く打たずに、両方に反則判定がくだることもあります。

 

 

しかし、実際にはここまで露骨に時間稼ぎをすることは、ほとんどありません。
というか、反則をすぐとられてしまっては、
自分の首を絞めることになるからです。

 

 

嫌な言い方をすると中学生でも
「もっと上手にやる」のです。

 

 

3回に1回は自分から引き技を打ったり、
時々積極的に攻めていったりするのです。

 

 

こうなると審判はその試合を見ているだけで反則をとるのが難しくなります。
ではどうするのか。私の場合団体戦だったら、
それまでの戦況を把握しておくのです。

 

 

 「この大将が引き分ければこちらのチームの勝ちか」
 「この副将が一本勝ちで逃げ切ればあちらのチームの勝ちか」
そういったことを頭に入れた状態で試合を見ていると、
時間稼ぎをしているかどうかが見えてくることが多いです。

 

 

しかし、鍔迫り合い反則と同様、これも主審の判断次第です。
相手のチームが明らかに時間の空費をしているとイライラしても、
主審がそう思わなければ反則にはなりません

 

 

これもまた剣道の曖昧な部分です。
審判の見る目、技術の向上によって、
こういった問題は少し解決されるかもしれません。

 

 

しかし、時間の空費をしてまで試合に勝とうとする子供達と
その子供達に指導している私たちにも反省するところがあるのかもしれません。

 

 

この動画の2:40〜の流れで、
おそらく梶谷選手の積極性が無いと判断され、
3:15で反則が取られています。
これはほぼリアルタイムで見ていましたが、微妙な判断です・・・。

 

 

最後に

 

剣道は他競技以上に審判は絶対的な存在です。
私が剣道部の顧問をしていて一番嫌なのは、審判をやることです。

 

 

最近では自分の学校が負けた場合
決勝戦で主審をやる機会も増えてきましたが、いつも緊張で吐きそうになります。

 

 

もちろんそんなこと言っていてはいけないのですが、
それぐらいの緊張感をもってやらなければならないものだと考えています。

 

 

曖昧な部分があるからこそ、
自分なりに基準を作っておきます。
他人から基準がおかしいと言われるのは仕方ありません。
でも「基準がぶれている」とだけは言われないようにしたいと思っています。

 

 

曖昧だからこそ素敵な部分がある剣道。
これからもこの曖昧を楽しんでいきたいと考えています。

 

 

>>弱小剣道部が強くなった秘密

 

 

一本の基準が分かった人方はクイズに挑戦

 

>>審判クイズに進む

 

>>剣道のルールに戻る

こちらもよく読まれているページです

剣道のルールは曖昧【一本編】
剣道の試合は有効打突(一本になる技)を競うものです。そんな大切な有効打突が曖昧な基準で成り立っているのをご存知ですか?
場外などの反則【一発アウト】
剣道には数ある反則の中でも、一発レッドカード(負けになってしまう)の重い反則があります。 ほとんど目にしないものから、時々目にするものまで色々です。
場外などの反則【通常反則】
反則の中でも一般的なものです。しかし、中学生の多くはこれを知らない・・・。知らなくて悔しい思いをする前に、知識として押さえておきましょう。
剣道の試合【所作・礼式】
試合に始めて出た時に、何も知らないと困る礼式や所作。試合に集中するためにも、所作や礼儀作法をマスターしておきましょう。
審判は服装にも規則がある!
剣道を大人になっても続けていた場合、避けて通れないのが審判です。審判をするための技能を磨くことは何よりも大切です。しかし、剣道の審判をする時に絶対にはずせないものがあります。それは服装です。ここでは剣道の審判をやる上で大切な服装についての話を書いていきます。
剣道の審判クイズ
剣道は細かい部分まで全てルールを理解するというのは簡単ではありません。それに、審判細則にも解釈をしないといけない部分がありますので、全て暗記すればOKというものでもありません。試合中は思いもよらないアクシデントが起こるものです。ここではクイズ形式で審判法を考えていきましょう。

サイトTOP 弱小剣道部が強くなった秘密 お問い合わせ