剣道での足のケガAかかとの痛みや疲労骨折の予防策と対処法

剣道での足のケガAかかとの痛みや疲労骨折の予防策と対処法

 

 


 

 

剣道部の顧問をしていて、
ケガで一番多いのは足のケガです。

 

 

一言に足のケガといっても、

 

左足の皮がめくれる。
右足のかかとが痛くなる。
左足の甲を疲労骨折する。

 

と言ったように、色々なパターンがあります。

 

 

骨にまで影響するケガは、
起きてしまってから治すのには、
かなりの時間がかかりますし
その間稽古に支障が出てしまいます。

 

 

また、痛い状態で無理をして稽古を続けた結果、
痛みをかばうために変なクセがついたり、
余計にケガがひどくなったりするということも
よくあることです。

 

 

骨まで影響するケガをした場合に、
一番大切なのは休養なのですが、
大会前なので応急処置をして稽古をしないといけない
そういった場合もあるでしょう。

 

 

ここでは骨のケガを未然に防ぐための予防方法と
起きてしまった時に少しでも痛みを和らげる
対処法について書いていきます。

 

 

右足のかかとの痛みはなぜ起きる?

 

 

 

右足のかかとが傷む原因は、結論からいうと
間違った踏み込みにあると思われます。

 

 

正しく足全体で踏み込みをしていれば、
足の裏全体で力を分散して
かかとに部分的な負担はいきません。

 

 

剣道の踏み込みによって、足に掛かる負担は、
体重の10倍くらいだと言われています。
踏み込みの強い一流の選手になると、
時には1トンの力がかかるそうです。

 

 

この普段はかからない強い力を、
アーチ構造になっている足は、
うまいこと分散できるようになっています。

 

 

さらにかかとには硬い皮膚の下に、
厚い脂肪組織があり、クッションとして作用しています。
つまり、通常であればかかとを痛めるようなことにはならないのです。

 

 

ではなぜかかとを痛めるような事態になるのか。
それは踏み込みの時にかかとから着地して、
力を分散することなく、かかとに
ダイレクトに力がかかっているからだと考えられます。

 

 

かかとの痛みを根本から解決するには、
まずは下の動画のように足の裏全体
(気持ち的にはつま先の方で)
踏み込むようにすることが大切です

 

 

足の踏み込みについては、
別のページに詳しく書いてあるので参考にしてください。

 

 

>>足の踏み込みの大きさに進む

 

 

かかとが痛い時の対処方法

 

 

 

 

かかとが痛い場合には、
かかとサポーターを付けるのが一番簡単で、
痛みを和らげることができるでしょう。

 

 

かかとサポーターは、かかと部分に
分厚いクッションが入っています。

 

 

先ほど説明したように、かかとには
脂肪という大きなクッションがあります。
このクッション部分を大きくすることによって、
痛みをかなり和らげることができます。

 

 

しかし、足の踏み込みをかかとからやっている限り、
根本的な解決にはなりません
私の学校の生徒の中にも、かかとサポーターが無いと、
思いっきり踏み込めない生徒もいます。

 

 

やはり正しい踏み込みをすることが、
剣道を上達する上でも、ケガの予防をする上でも
大切なことだと考えられます。

 

 

左足の疲労骨折の原因とは

 

 

 

 

剣道部の指導をしていて、
生徒に一番やってほしくないケガが、
左足の甲(中足骨)の疲労骨折です。

 

 

疲労骨折は何か大きな事故で骨が折れるのと違い、
じわじわと骨に負担がかかっていき、
だんだんと骨にヒビが入っていくというものです。

 

 

多くの場合、「なんか痛いな」と思いながらも
そのまま気のせいだと言い聞かせて稽古を続け、
痛みが我慢できなくなった時には、
完全にヒビが入ってしまっています。

 

 

治療方法は安静とリハビリしかありませんので、
長いと3ヶ月ほど稽古ができなくなります。
私も期待していた1年生が
これで稽古ができなくなった苦い経験があります。

 

 

原因はその生徒の筋力に対して、
オーバーワークだった場合がほとんどです。
疲労骨折するのが1年生に多いのも、
筋力がまだついていないことが原因です。

 

 

他の子が何ともない練習内容でも、
それまでつけてきた筋力の違いによって
疲労骨折になってしまいます。

 

 

疲労骨折は、同じ部分に弱い力が何度もかかることが
原因だと言われています。

 

 

剣道の場合、左足はかかとを上げた状態で、
常に体重が乗っているので、
疲労骨折を発症しやすいのでしょう。

 

 

とはいっても、競技の特性上、そうせざるを得ないので、
疲労骨折の原因を取り除くことは難しいです。

 

 

ではどうしようもないかというと、
そういうわけではありません。
疲労骨折に対して予防策をきちんととっておくこと
何よりも大切になってきます。

 

 

疲労骨折の予防策

 

 

 

 

一度骨折してしまうと長引いてしまう疲労骨折。
予防策は以下の2点です。

 

1 早期発見

 

2 ストレッチと筋トレ

 

では順番に見ていきましょう。

 

 

早期発見

 

 

 

 

まず一番大切なのは、疲労骨折になる前の早期発見です。

 

 

いやいや、もう傷んでいる時点でダメでしょ?
と、思われる方もいるかもしれませんが、
まだ骨まで完全に影響が出る前に見つければ
一週間くらいの休養で治ります。

 

 

完全にヒビが入った場合の2ヶ月の休養と比べれば、
1週間なんてあっという間です。

 

 

足の痛みが疲労骨折かどうか見極めるためには、
足の甲を表と裏押してみると分かります。
骨に影響が出ている場合は、
裏から押しても痛みを感じます。

 

 

表側の筋肉が傷んでいるだけの場合は、
足の裏からの圧力に対しては何も感じないはずですからね。

 

 

そこで少しでも痛みがある場合は、
稽古を休んで迷わず病院に行きましょう。

 

 

ストレッチと筋トレ

 

 

 

 

先ほど書いたように、
疲労骨折する生徒としない生徒の違いは、
やはり筋力が弱かったり、
柔軟性が低かったりすることが原因です。

 

 

そこで左足のストレッチと筋トレをすることで、
事前にケガを予防することができます。

 

 

とはいっても、普通の筋トレやストレッチのように、
全身ではなく、ピンポイントで足を鍛えるので、
スペースも動きも少なくて済みます。
まずは筋トレの紹介です。

 

 

 

 

上の写真のように、指の力でタオルを引き寄せてみましょう。

 

 

 

 

足をつま先立ちして戻す。またつま先立ちをする。
この繰り返しで、足の甲の筋肉を鍛えることができます。

 

 

次にストレッチの紹介です。

 

 

 

 

青竹ふみは足のストレッチには、とても効果的です。
偏平足を直すこともできて一石二鳥です。

 

 

 

 

ゴルフボールをテレビを見ながら
足でゴロゴロするのも効果的です。
やってみるとわかりますが、
足の裏が伸びるのがよく分かります。

 

 

毎日少しずつ繰り返すだけで、大きなケガを予防できます。
どれか一つでもいいので、
暇な時にテレビを見ながらやってみるといいでしょう。

 

 

疲労骨折の対処法

 

 

 

 

疲労骨折の対処法に関して言うと、休養あるのみです。
無理をすればより悪化して、
最悪後遺症が残る場合があるそうです。

 

 

それでもどうしてもやらなければならない。
大会でどうしても自分が出ないといけない。
そういった時は、もうテーピングで固めるしかありません。

 

 

 

 

足の甲をテーピングでぎゅっと絞めます。
骨の痛みは関節を固めるだけで、痛みが軽くなりますが、
決して治ったわけではありません。

 

 

体に痛みがある場合は、
とにかく休養に努めるようにしましょう。

 

 

最後に

 

 

私が剣道部の顧問を始めて10年ほどたちますが、
初めのころは、疲労骨折をする生徒が、
毎年一人は出ている状態でした。

 

 

練習の負担を下げてみた年もあったのですが、
それでも疲労骨折する生徒が出ましたし、
何より全体の上達のスピードが下がってしまいました。

 

 

色々と勉強をして、現在では、新入部員に宿題として、
上で紹介したストレッチと筋トレを半年間やってもらうようにしました。
青竹も100均のものを毎年プレゼントしています。

 

 

その成果なのかは分かりませんが、
ここ数年は疲労骨折をしてしまう生徒がいなくなりました。
ケガで一番大切なのは対処法ではなく予防法です。

 

 

みなさんもケガにならないようにしっかりとストレッチと
筋力トレーニングに取り組みましょう。

 

 

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