グループで行う稽古メニュー!効率よく練習する方法

グループで行う稽古メニュー!効率よく練習する方法

自分たちで進めていけるようにする!

 

 

 


 

 

剣道は対人競技ですので
基本的に稽古は2人組で行います。
一般的に回り稽古と呼ばれる稽古方法で
練習しているところが多いでしょう。

 

 

私の学校でも基本打ちなどは基本的に
回り稽古で行っていますし、
全体に指示を出したりする時には
やりやすい稽古方法です。

 

 

しかし効率を考えると、あまり良くはありません。
1回1回相手を変えて行うため
時間のロスがかなり生じます。

 

 

冬場などの時間がない時には、
連続して生徒達に行わせた方が
効率的に稽古を行うことができますし、
運動量や稽古量を確保できます。

 

 

今回はグループで行う効率的な稽古方法を紹介します。

 

 

3人組で行う基本打ち

 

 

2人1組で行う基本打ちの欠点は
以下の2点だと私は考えています。

 

交代することによって時間のロスがある

 

武道場のスペースを多く使う

 

特に私の学校のような武道場が狭い場所では
他の学校と合同練習をする場合、
2人組でやるとかなり窮屈になります。

 

 

特に足さばきの稽古を重点的にやりたい時は、
スペースの狭さは大きな問題です。

 

 

そこで、3人1組にしてしまって、
できるだけスペースを確保する稽古法を良くとります。
やり方はとてもシンプルです。

 

 

@の生徒が元立ちになり
Aの生徒が打突します。

 

 

終わったところでAの生徒が元立ちになり
Bの生徒が打突します。その後は

 

 

Bの生徒が元立ち→@の生徒が打突
@の生徒が元立ち→Aの生徒が打突
といった形で元の状態に戻ります。

 

 

スペースを大きく使う追い込みの練習の時
個別で指導している間に他の生徒の練習をとめたくない時

 

 

とても有効な稽古方法です。
冬場などで運動量を確保したい時なども、
積極的に取り入れているグループ稽古です。

 

 

6人組で行う応じ技の稽古

 

 

応じ技にかなり慣れてきたら6人1組になって、
次々に応じ技を出す稽古を取り入れます。
場合によっては奇数になる時もあるかもしれませんが、
偶数のほうが分かりやすくできます。

 

 

この稽古方法は、
一人の生徒に対して残りの生徒が連続して面や小手を打突し、
それに対して応じ技を繰り出していくものです。
終わったら次の生徒がまた連続で応じ技を出していきます。

 

ポイントは
できるだけ振り向いてすぐに技を出すようにすること。

 

できるだけ中央から動かずに打突すること。

 

 

中央にいる@の生徒からスタートです。
Aの生徒から順番に、@の生徒に打突します。
Aの生徒はそのまま反対の一番後ろに並びます。
すぐにBの生徒は@の生徒に打突します。

 

 

5人全員終わったところでAの生徒が
中央に行き、連続で応じ技をします。
次はBの生徒からスタートです。
Eの生徒まで終わったら1周したことになります。

 

 

慣れてくれば2周3周とどんどん続けられます。
この稽古によって瞬間的な応じ技をマスターできます。

 

文章と図だけでは分かりにくかったかもしれませんので
動画を貼ります。下の動画は
岐阜の名門麗澤瑞浪高校の稽古風景です。

 

 

こんなに早いスピードではできませんが、
生徒にイメージを伝えるためには最適な動画です。

 

 

 

3人組で行う試合形式の地稽古(プチ練成会)

 

 

初心者が多い私の学校では、
試合をしたことのない生徒も多いのですが、
1年生の初心者の子を練成会や大会に出すのは
中々難しいです。

 

 

せっかく剣道を始めてくれた生徒達です。
試合経験は何よりも上達につながりますので、
できるだけ全員の生徒に試合経験を積ませたいと
考えています。

 

 

しかし、コートを全て使うような試合は、
他の生徒の稽古が止まってしまいますので
土日などの時間がある時にしか行えません。

 

 

そこで私の学校では、プチ練成会という名前で
簡易的な試合を行うようにしています。

 

 

プチ練成会の方法は簡単です。
3人組でグループを作り一人を審判にして、
残りの二人が試合を行います。
これをローテーションで行います。

 

 

3試合を1セットにして、行うことで
グループの全員が試合をすることができます。

 

 

1セット終わった時点で
グループごとに1〜3位まで順位をつけさせます。

 

 

1位の生徒は1つ上のグループに、
3位の生徒は1つ下のグループに移動させます。
各グループの2位はそのまま残留です。

 

 

試合時間は1分と短くして、
できるだけたくさんの試合数を稼ぐようにしています。
もちろん引き分けになってしまう場合が多いのですが、
審判による判定で必ず勝敗を付けさせるようにします。

 

 

試合時間が一分しかないので、
積極的に攻めていく試合になります。
私の学校では、下のようなルールを設定しています。

 

 

鍔迫り合いは5秒まで

 

引き技以外で後ろに下がるのは禁止

 

避けるだけは禁止(必ず応じる)

 

 

これを守らないと、判定の時に負けになってしまいます。
積極的に打っていく姿勢が身についていきます。

 

 

初心者の生徒でも、負けても負けても
毎回違う相手と試合を何本もできるので、
簡易的な練成会のようになります。
試合感覚は確実に身に付きます。

 

 

また審判をやることで、何が一本になるかを知ることができ
初心者の生徒は試合感覚をより強めます。

 

>>審判をすることで自分の一本の基準を磨けに進む

 

最初は全く旗を上げることができませんが、
先輩からのアドバイスで徐々に変化していきます。
旗を上げられるようになれば、
その生徒はかなり成長したと考えられるでしょう。

 

最後に

 

じっくりと全体に指導したい時は
やはり2人組が一番良いでしょう。

 

 

生徒にとっても毎回違う相手なので、
新鮮な気分で行うことができますし、
相手のクセによってやり方が変わるので、
良い経験にもなるでしょう。

 

 

 

しかし、上に何度も書きましたが、
時間がかかりますし、指示を出す生徒によっては
稽古のテンポがすごく悪くなる場合があります。

 

 

基本は2人組として、稽古の間のスパイスとして、
グループで行うものを取り入れることで、
生徒の運動量の確保や個別指導の時間の確保
可能になってきます。

 

 

今回紹介したのは私の学校でよく使っているものですが、
アレンジによっては他にもきっとあると思います。

 

 

オリジナルのグループ稽古などを考えながら、
稽古時間の短い時期に、ぜひ取り入れてみてください。

 

 

>>弱小剣道部が強くなった秘密

 

 

稽古に臨みましょう

 

>>稽古メニュー内容に戻る

 

>>初心者の練習方法

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