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剣道段位審査!四段五段に受かるには?合格のポイント

 

 


 

 

剣道の段位審査で一つの壁と言われる、
四段と五段の段位審査。
私の地域でも、合格率が三段までは60%なのに比べ、
四段・五段になると30%を切る合格率です。

 

 

私の話をさせていただくと、学生時代三段まで、
段位審査で落ちることは一度もありませんでした。

 

 

剣道部の顧問になり自分の稽古をはじめて、
34歳の時に再び四段の段位審査を受け、
無事に一発で合格することができました。

 

 

ところが五段については、うまくいかず、
残念ながら2回落ちてしまいました。
3回目に何とか合格できましたが、
立ち合いについては反省点が多かったです。

 

 

今回は私なりの段位審査合格のコツと、
四段・五段の審査のポイントを紹介します。

 

 

 

四段・五段になるとかなり印象が違う?

 

 

剣道をやっているという話をすると、
生徒や保護者、友人から興味本位で
「先生は何段なんですか?」
と聞かれることが多いです。

 

 

「五段です」と答えると、
「へーすごいですね。」と言われますが、
おそらく「三段です」「四段です」と答えても、
反応はあまり変わらないように感じます(笑)

 

 

ところが剣道をある程度やった経験のある人が、
この話を聞くとだいぶ印象が違います。
私のイメージとしては

 

 

三段→高校生までがんばりました

 

四段→大学生までがんばりました

 

五段→社会人でもがんばりました

 

六段→剣道を真剣に続けてきたんですね

 

七段→すごい!アマチュアのトップクラス

 

八段→神様

 

 

これはかなり偏った見方だと思いますが(笑)
けっこうこういうイメージの人が多い気がします。
もちろん合格した時の年齢とかもありますけどね。

 

 

三段までは高校生のうちにとれますが、
四段以降は剣道にけっこう本気で取り組んでいないと
とることができません。

 

 

そういった意味で三段までと少し違いますし、
実際に合格のレベルにも差があるように感じます。

 

 

四段・五段の段審査合格基準

 

 

 

四段と五段でまとめた形になってしまいますが、
私の印象としては、四段と五段の審査ポイントは、
そこまで違わないように感じました。

 

 

私の地域では四段と五段は
同じ日に同じ場所で行いますので、
実際に両方の審査を同時に見ましたが、
審査合格のポイントは同じだと思います。

 

 

もちろん五段のほうは、四段合格者が集まっているので、
レベルの高い内容ではありました。

 

 

ちなみに四段と五段の審査基準は

 

 

四段は、剣道の基本と応用を修熟し、技倆優良なる者

 

五段は、剣道の基本と応用に錬熟し、技倆秀なる者

 

 

基準は高くなりますが、四段と五段では、
ポイントは同じであると考えられます。

 

 

四段五段の審査合格のコツ

 

 

 

私が思う四段・五段の審査合格のポイントは
下の4つだと思います。

 

 

段審査合格のポイント

 

1 構えた状態での攻防を大切にする

 

2 相手にできるだけ打たれない

 

3 先に一歩中に入る

 

4 縁を切らないようにする

 

 

まず四段の審査を実際に見てもらいましょう。

 

 

 

動画の中でもポイントが述べてありますが、
大切なのは構えた状態での技の練り合いです。
あまりにバンバン打っていくと、
審査員の心証は悪くなると思います。

 

 

次に大切なのができるだけ打たれないことです。
意外かもしれませんが、これはけっこう大切だそうです。
よく段審査は、打たれてもかまわないという方もいます。
しかし、有効打突をとることと同じレベルで必要だと思います。

 

 

私が五段に落ちた時に、有効打突をけっこうとれたと思います。
しかし、それと同じくらい打たれてしまいました。

 

 

実際映像でも不合格の時と合格の時を見比べると、
合格の時は、ほとんど相手に有効打突を許していません。

 

 

打たれることに怯えて、
剣道が縮こまってしまっては元も子もありませんが、
相手に打たれず自分が打てる状況をつくれることも、
四段五段の合格のポイントだと考えられます。

 

 

さらに、不合格時の2人目の時に、
一足一刀の間合いに入るタイミングは、
常にお相手の方になってしまっています。

 

 

この一歩相手の中に入っていくと
いうことは、攻めの基本でもあります。
常に自分の方の攻めが効くようにするためにも、
間合いには一歩自分から入るようにしましょう。

 

 

合格と不合格の時の両方で気になるのは、
打突後に相手に対して、
かなり遠くまで間合いを切っていることです。

 

 

これは意外に感じるかもしれませんが、
できるだけ間合いを切らないことで、
気持ちを切らないことを、
審査員に印象づけることができます。

 

 

ここで七段の審査を見ていただきます。

 

 

 

 

先ほどの4つのポイントが
すべて入っているのが分かるでしょうか?

 

 

七段の審査と四・五段の審査は違うと思うかもしれませんが、
上の段で必要なことを意識していることが、
合格につながるのではないでしょうか。

 

 

話は少し違いますが、七段の審査を受けている人が、
内村選手に見えるのは私だけでしょうか・・・。

 

 

最後に

 

私が四段も五段も(それなりに)
スムーズに合格できたのには秘密があります。

 

 

それは年齢が34歳・38歳だったことです。

 

 

24歳の時に受けていたとしたら、
まず間違いなく落ちていたでしょう。

 

 

その理由は、お相手の方のレベルが違う
ということはもちろんありますが、
段審査に適した剣道をやれるようになったことが、
一番なのではないかと思います。

 

 

先ほどの合格のポイントでもありましたが、
試合用の剣道をそのまま審査でやっていても、
合格するのは難しいと思います。

 

 

私は選手時代、足を使って、フェイントを多用し、
2本目3本目で何とか有効打突をとる選手でした。
審査の観点から見ると、捨てる技ありきで、
やっているということになります。

 

 

実生活においても、常に予防線を張りながら、
自分の力を信じてやるということができていなかったと、
今振り返ると感じています。

 

 

こうした部分を年齢を重ねる中で、
実生活、剣道ともに、
うまく修正できたのではないかと考えています。

 

 

何年も受けていて中々合格できないと考えている方も、
自分に足りないものを振り返りながら、
自分自身の成長と共に
段審査に挑んでみてはいかがでしょうか。

 

 

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