剣道を通して伝える、今の中学生に必要なもの

剣道を通して伝える、今の中学生に必要なもの

 

 

今の中学生に必要なものは

 

 


 

 

私が剣道部の役割として大切なのは、
生徒たちの普段の生活の中に足りていないものを補うこと
だと思っています。

 

 

大人から厳しく指導されたり、
あきらめずに最後までやり抜いたりすることの苦手な子は、
昔より確実に増えています。しかし、
大人になって社会に出た時に、それは通用しないのです。

 

 

世の中の考え方が、子どもを大切に守ることに重きを置いています。
もちろんそれ自体は間違っていませんし、
私も生徒たちを大切に考えています。

 

 

ただ行き過ぎた守りはただの過保護になってしまいます。
子どももいつか大人になり、
この国を背負って立つ人間にならなければなりません。

 

 

ここでは、今の中学生に足りていない部分と、
それをどうやって補っていくか私の考えを書いていきます。

 

 

最近の中学校の現状

 

 

 

私が教師になって20年近くがたちました。
私が教師になった90年代と比べると、
生徒をとりまく環境は大きく変わりました。

 

 

家に帰ってからも気軽に携帯電話で連絡が取れるようになり、
生活は便利に、そして豊かになりました。
生活が便利になった結果、生徒たちはより成長できているのでしょうか。

 

 

残念ながら徐々に、でも確実に
生徒の「生きる力」は無くなってきています。

 

 

人とうまく接することができない生徒

 

学校にうまくなじめず不登校になる生徒

 

ちょっとしたことに傷つき、保護者に守ってもらおうとする生徒

 

 

私が教師になったころには、ほとんどいなかったような生徒が、
私の体感としてクラスの20%以上をしめるようになりました。

 

 

世の中の流れでしょうか、教師も生徒に、
そして保護者にかなり気を使いながら生活しています。
残念ながら私自身も、こういった教師の一人です。

 

 

生徒が悪いことをして指導したら保護者からクレームがきた。
何ていうのは日常茶飯事です。

 

 

こうなってしまうと、教育の本来あるべき姿とはかけ離れてしまいます。
悪いものは悪いと、ガツンということも大切であると私は考えています。
しかし、結局大きな世の中の流れを変えることは私にはできません。

 

 

最近の先生は情熱が無い

 

 

なんて知ったような口をきくコメンテーターに、
あんたらメディアのせいだろ!
と心の中で叫んだことも一度や二度ではありません。

 

 

それでも生徒にとって必要なことならば
やはり教師として伝えなければなりません。
ありがたいことに、私には剣道部という生徒に考えを伝えやすい場があります。

 

 

部活の中だけでも
、私が思う大切なことをストレートに伝え続けています。

 

 

今の中学生に伝えたいこと

 

 

 

私は剣道部の生徒たちに、
挨拶や返事、整理整頓を大切にするように伝えています。
それ以外にも全力を出すこと、あきらめずにやること。

 

 

数え上げたらキリがないくらいたくさんのことを、
毎日少しずつですが伝え続けています。

 

 

しかし、生徒に一つだけ力をつけさせられるなら

 

 

自分で自分の道を切りひらいていく力をつけてほしい

 

 

と思っています。挨拶や返事ができなかったとしても、
身の回りが少々汚くても、
自分でこれからの生きる道を考え進んでいく力があれば、
生きていくことができるでしょう。

 

 

何か嫌なことがあったときに、親や先生にすぐ頼るのではなく、自分で解決する。

 

周りの人や環境のせいにせず、自分がそこで楽しくできるようにしていく。

 

 

本来学校というのは、そういったことを学ぶ場なのではないでしょうか。
もちろん勉強も大切ですし、宿題などの課題を提出することも大切です。
でも、勉強だけなら家でもできます。
塾に行けば能力に合わせて学校よりも
効率的に学習を進めることができるでしょう。

 

 

それでも学校が存在しているのは、
人と人とのつながり、小さな社会を経験することで
将来自分で生きていく力を養うためだと思います。

 

 

今の剣道部の生徒は、多少のトラブルでは私や親に頼ったりしません。
部活の運営もできるだけ生徒に任せるようにしています。
もちろん私がやったほうが、上手に効率的にやることはできます。

 

 

しかし、そういった経験から学ぶことは、
何よりも大切な力になっていくのです。

 

 

私の自己満足なのかもしれませんが、
これからもここは大切な部活の軸にしていきたいと考えています。

 

 

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