剣道のルールは曖昧な部分がいっぱい【一本編】

剣道のルールは曖昧な部分がいっぱい【一本編】

 

 

剣道は見ていてもよく分からない。
知ればもっと楽しくなる!

 

 


 

 

分かりにくいと言われる剣道のルール。
初めて見た人は、なぜ試合に勝ったのか、
どうやって決まったのか分からないのです。

 

 

剣道の試合を決めるのに一番大切な
一本になる打突っていったい何?

 

 

というか一本になる打突(有効打突)が曖昧って知っていましたか??

 

 

剣道のルールは独特

 

 

世の中には多くのスポーツがあります。
野球、サッカー、バレー、テニス、バスケット・・・。

 

私はスポーツ観戦が好きですし、
担任しているクラスの生徒の応援で、
他の部活の大会を見に行くことがあります。

 

 

正直バスケットやバレーなどは
細かいルールは知りません。
でも、ゴールにボールが入れば得点、
相手のコートにボールが落ちれば得点ということは知っています。

 

 

なので、見ていても応援しやすいですし、
保護者の方達とも一緒に盛り上がることができます。

 

しかし、剣道は違います。

 

もちろんだれでも旗が2本以上あがったら
一本なのは分かります。

 

 

でも、なぜさっき当たったのはダメで、
今のが一本になるのかは、
初めて見る人には全く分かりません。

 

 

例えばサッカーの試合でシュートが入ったけれど

 

今のはシュートを打った時の姿勢が悪いので取り消しです。

 

打つタイミングが悪いので今のは無効です。

 

 

なんてことにはなりませんよね。
でもそれが起こるのが剣道です。

 

 

保護者の方に

 

「今日○○君の打つタイミングすごく良かったですね」
「△△さん捨てきった技を出すことができましたね」

 

 

というふうに良かった点を伝えても、
「?」がついている時がよくあります。

 

 

いい技が出た時の拍手も、
何が一本なのかが分からないとできませんよね。

 

 

私はこういったことが起きる理由を、
剣道がスポーツ的な要素と同様に、
芸術的な要素が高いためだと考えています。

 

 

体操やフィギュアスケート選手が勝つために、
難易度の高い技をやるだけではなく、
ひとつひとつの技を美しくしていくのと同じです。

 

 

剣道も素晴らしい技を出せたとしても、
その技が一本の基準になる美しさがないと、
旗はあがりません。

 

 

保護者の方にも、一本の基準を知ってもらい、
より楽しんで子供の応援をしてもらいたいのですが・・・。
この一本の基準というのが難しい。

 

 

有効打突って何?

 

 

一応、有効打突(一本になる打ち)の基準は剣道試合・審判規則第12条に書いてあります。

 

剣道試合・審判規則第12条
有効打突は、充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする。

 

分かりにくいので、誤解を承知で分かりやすく書くと
一本になる打ちをするためには以下の6点を達成している必要があります。

 

@ 充実した気勢→大きな声を出しているか。
A 適正な姿勢をもって→打った瞬間の姿勢が整っているかどうか。
B 竹刀の打突部で→いわゆる物打ち。竹刀の中結より先で打っているか。
C 打突部位を→面、小手、胴、突きの決まっている部分を打っているか。
D 刃筋正しく→弦の反対側で打っているか
E 残心のあるもの→打ち終わった後にも気を抜かず相手を意識できているか。

 

一本になる打ち、つまり有効打突についてはまた別に詳しく書きます。

 

決めるには一本の基準を知るに進む

 

 

以上6点が有効打突の基準なのですが、
実際にはこれ以外の要素もかなり関係しています。

 

 

たとえば踏み込み。
この中では何も書いてありませんが、
踏み込みも無く小手を打っても、
ほとんど入りません。

 

 

たとえば打突の強さ。
いくら打ってもあまりにも軽い打ちでは、
審判は一本と認めません。

 

 

たとえば打つタイミング。
相手が不十分だが打突された引き技を打った直後に前に打っていき、
良い打突ができたとしても、旗は上がりません。

 

 

他にも書いていない要素がありますが、
それをあげていっても仕方がありません。

 

 

そもそもこの基準はある程度基本打ちをマスターしている人
に向けて書かれているように感じます。

 

 

なので、この基準は試合のレベルによって大きく変動しますし、
ある程度は仕方の無いことだと思っています。

 

 

もし、全日本選手権大会の選手に対する基準と、
市大会の小学校低学年に対する基準を同じにしてしまっては、
小学校低学年の子は一本もとれないまま終わってしまいます。

 

 

困るのは、同じ大会で対戦者のレベルが全然違う時です。
全く旗を上げる気にさせないダラダラとした試合の場合、
勝敗をつけるために無理矢理旗を上げてしまう場合があります。

 

 

しかしそのすぐ次の試合が、かなりレベルが高かったりすると、
有効打突の基準が審判三人で合わない場合があります。

 

 

私自身も市大会の審判をしている時に、
試合によってレベルが全然違って、
やりにくさを感じることがあります。

 

 

審判も自信を持って一本あげられる場合ばかりではありませんし、
誤審もあります。

 

 

剣道という競技は審判に全ての権限を委ねているので、
そこで文句を言ったり、
ましてや判定がくつがえったりするようなことはほとんどありません。
※ただし、監督からの異議の申し立ては認められています。

 

 

しかし、一本が曖昧な基準だというところも
剣道の魅力のひとつだと思っています。

 

 

例えば私のような者でも、
全日本選手権大会を見て審判の基準について色々と話をすることができます。

 

そこで新たな学びがあったりするのも楽しみのひとつです。

 

 

みなさんもたくさんの試合、審判の姿を見て
自分なりの一本の基準をつくっていきましょう。

 

 

それがきっと自分の剣道の上達にもつながるはずです。

 

 

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