剣道で学べるもの【試合で勝つより大切なものとは】

剣道で学べるもの【試合で勝つより大切なものとは】

 

試合で勝つことより
大切なものはあります!

 

 


 

 

私がいつも剣道の指導をしている中で、大切にしていることがあります。
それは、

 

剣道を通して人間的に成長させること

 

 

剣道の理念にも、
「剣道とは剣の理法の修錬による人間形成の道である。」
とはっきりと明記されています。

 

この考え方が根本にあるので、大会中も
試合の勝ち負け以上に
立ち振る舞いについて厳しく指導します。

 

 

試合に勝たせてあげたい気持ちはもちろんありますし、
そのための指導もしています。

 

 

しかし、人間的な成長の部分を無視してしまっては、
部活動としては失敗だと思います。

 

 

今回は剣道部の指導で何を大切にしているかを書いていきます。

 

 

勝つチームほど、素晴らしい人間性を求められる。

 

 

たとえ大会で優勝したとしても、
不遜な態度を試合中にとったり、
挨拶や会場の片付けを全くしなかったりするチームは、
周りから認められません。

 

 

いや、むしろ強いからこそ
立ち振る舞いにも責任が出てくるのではないでしょうか。

 

 

1回戦で負けてしまうような弱いチームの態度が悪くても、まわりは

 

練習もせず弱いからそういうこともできないんだろうな。

 

 

と思って終わりです。
しかし、そのチームが優勝してしまうと

 

 

なんであんなところが優勝するんだよ。

 

と、厳しい目で見られてしまいます。

 

 

オリンピック選手や一流のプロ野球選手が不祥事を起こした時、
テレビでも取り上げられ、
世間から大きく非難されるのも同じ理由だと思います。

 

 

人は勝手なもので、
人より秀でた能力や技能を持っている人間に対して、
人間性についても同じだけ高いものを求めてしまいます。 

 

 

学年1位の成績の子が、
教師に対して少し態度が悪かったりすると
「あいつは頭がいいけど、性格の悪いやつだ」
と、職員室で話題になります。

 

 

でも、勉強ができない子が、
少しくらい態度が悪くたって、特に何も言われません。

 

 

もちろん教師として公平性に欠けるので、
これは間違っています。
しかし、世間一般の感覚としては、これが普通なのでしょう。
だからこそ、この感覚を生徒には知っておいてもらいたいのです。

 

 

部活の生徒にも剣道が上達した時こそ
自分の立ち振る舞いを見直すべきだと、伝えています。

 

 

もちろん話をするだけで、全員が素晴らしい人間性を身につけるわけはありません。
恥ずかしながら、
剣道部のレギュラーになっている生徒が、
学校に迷惑をかけるような行為をしたことも何度かあります。

 

 

しかし、言い続けることで少しずつですが、
生徒の心の奥に染み込んでいくと信じています。

 

剣道が上手になればそれでいい。
そんな考え方で指導することは、
この先も無いようにしていきたいです。

 

 

>>応援してもらえるチームになるに進む

 

 

剣道で学んだことで生きていく。

 

 

 

私が顧問を勤める剣道部が、
初めて県大会に出場したときのことです。
私の学校は予選リーグで早々に負けてしまったのですが、
せっかくなので最後まで試合を観戦していくことにしました。

 

 

その試合中私が一番驚いたのは、
県のトップチームの試合中以外の動きでした。

 

 

全く面識のない私にもハキハキと挨拶をしてくれ、
顧問の先生の指導ひとつひとつに対して
大きな声で「ハイ!」と返事をしていました。

 

 

その学校の荷物置き場は、
全ての防具袋やカバンが美しくならんでいます。
特に面などは、邪魔にならないように壁際にきれいに寄せてありました。

 

 

 

 

私もそういったことを指導してきたつもりでしたが、
この差にはショックを受けました。

 

 

大会終了後に、勇気を振り絞ってその学校の顧問の先生に話をうかがいました。
驚いたことに、その先生はまだ20代で、
私よりも10歳ほど若い顧問でした。

 

 

年下のその先生は、
恐縮した感じで色々と話をしてくださいました。
その中で、私が一番心に残った言葉は、

 

 

剣道で食べていく人間ではなく、
剣道を通して学んだことで食べていける人間を育てたい。
という言葉でした。

 

 

全国大会に出場しようが、
剣道で高校に進学しようが、
最終的に剣道で食べていける人間なんて本当に一握りです。

 

 

しかし、剣道で学んだ挨拶や返事、
整理整頓といったことは、一生役に立つものです。
それから私の学校でも合い言葉は

 

 

挨拶、返事、整理整頓

 

 

これは武道場の入り口にいつも張ってあります。
まだまだですが、生徒も意識してやってくれています。

 

 

剣道を通して人間的に成長していく
剣道を通して学んだことで生きていく

 

 

この2つを大切にしながらこれからも指導していきます。

 

最後に・・・

 

 

実はこれらの指導を大切にするようになったのにはもうひとつ理由があります。
サッカー部の顧問時代の友人からすすめられ、

 

 

ボトムアップ指導で有名な名監督畑喜美夫さん
の本を読み、セミナーで話を聞き、

 

 

そこで学んだことが指導の
重点目標を変えるようになったきっかけになりました。

 

 

この話は長くなるので今回はやめておきますが、
どの世界でもトップチームというのは、
その競技だけをつきつめているわけではないことを知れました

 

 

チームスポーツのサッカーとは違う部分がありますが、
一度組織づくりという観点で、
畑先生の本を読んでみてはいかがでしょうか。

 

 

>>最後は生徒が練習メニューを考えるようにするに進む

 

 

学びを続け稽古をしましょう!

 

 

>>弱小剣道部が強くなった秘密

 

 

剣道の魅力を語ります

 

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