@剣道部の稽古メニューを紹介します。目的別練習内容

@剣道部の稽古メニューを紹介します。目的別練習内容

 

 

1ヶ月ごとに練習内容を考えよう!

 

 


 

 

私の学校では稽古メニューは
基本的に1ヶ月ごとに見直すようにしています。
稽古メニューは私だけではなく、
生徒がやりたいメニューも話し合わせて考えさせるようにしています。

 

 

>>最後は生徒が練習メニューを考えるに進む

 

 

しかし新チームになったばかりのころや、
弱点を補充しなければならない時には、
私の考えたメニューで行うようにしています。

 

 

練習の成果は1回や2回では出てきません。
少なくとも1ヶ月毎日続けた結果、
「少し成果が見えてくるといいなあ」
ぐらいで取り組まなければなりません。

 

 

それくらいの気持ちで顧問が考えられないと、
生徒が思ったようにならないことからの苛立ちから、
最悪体罰のような行動に出てしまうかもしれません。

 

 

>>剣道部と体罰に進む

 

 

ここではチームで強化したい部分を意識した
稽古メニューを紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

強化したいのはいったいどこか。

 

稽古の中で、意識しないといけないのは
個々で気を付けて練習しなければならない部分と、
チーム全体で足りなくて練習しないといけない部分
の両方があるということです。

 

 

個々で直さなければならない部分は、
個別指導でできるだけ指導するのが良いでしょう。

 

 

全体で個々の問題を取り上げてしまうと、
稽古の強化したい部分の軸がずれてしまう
おそれがあります。

 

 

私の感覚としては
半分以上の生徒に足りない部分が見られた時には、
全体で取り上げて稽古内容に入れるようにしています。

 

 

その年、その年で足りない部分が違うので、常にではありませんが、
よく強化練習として取り入れるのは以下のものです。

 

 

1 打突後に足と体が止まってしまい、体が前に出ない

 

2 相手の技を避けるだけで応じ技が出せない。

 

 

では順番に見ていきましょう。

 

打突後に足と体が止まってしまい、体が前に出ない

 

 

打突後に足が止まってしまう時は、
打突後にまっすぐ相手にぶつかっていく勢いが無いことが原因です。
打突が外れたとしても、
しっかりと相手と間合いを詰められるだけの勢いが欲しいところです。

 

三人一組の追い込み稽古

 

この場合取り入れる稽古メニューは追い込みを中心とした以下のものです。

 

面打ちの追い込み

 

小手面の追い込み

 

小手面胴の追い込み

 

面を打って振り向いたところをすぐ打突する追い込み

 

これを往復で3回ずつ。3人1組で行わせます。
他にも引き技や応じ技などの追い込みもありますが、
これはかなり上達してからでないと難しいです。

 

 

上の動画の3:40〜です。さすが東奥義塾ですね。
知り合いが一人映っているのが嬉しくて、
紹介の動画をこちらにしました(笑)

 

 

追い込みは、しっかりと体を前に出すトレーニングになります。
打った直後も足さばきを意識した打突ができるようになるため、
体幹もしっかりとしてきます。

 

 

正しい足さばきや姿勢で追い込みを続けることで、
体がしっかりと前に出るようになっていきます。

 

 

ただし、足さばきを雑にやってしまうと、
ただの体力作りになるので気を付けましょう!

 

打突後に体全体で相手を押す稽古

 

追い込みはできるけれど、
相手が前にいると、足と体が止まってしまう人は、
体当たりするまで体を寄せるための稽古が必要です。

 

 

私の学校では

 

面を打たれた後も元立ちはどかずに、胴をおさえてやる。

 

という稽古を入れる時もあります。
元立ちが相手の胴をしっかりとおさえてやることで、
打突後の力強い前進が出てきます。

 

 

元立ちは、面を打突された後に、
打ち立ちの腕の下に潜り込むようにして
胴を押さえてあげましょう。

 

 

打つ側は、打突後に腰で相手を押していくイメージ
を持つといいと思います。

 

 

この稽古によって、相手を体全体で押していく感覚を手に入れることができますし、
何より相手にぶつかることを怖れないようになれます。

 

 

慣れてきたら、相面でお互いに体を前に出す稽古も良いでしょう。
下の動画を参考にしてみてください。

 

 

 

 

上の動画の6:45〜です。仙台育英高校のアップの様子です。
強豪高校はアップの様子まで撮影されているのですね。
これには少し驚きました。

 

 

相手の技を避けるだけで応じ技が出せない。

 

 

応じ技の強化は難しいです。
まず応じ技を基本練習でしっかりとやらなければなりません。

 

 

小手返し面ならば小手返し面の基本打ち

 

面抜き胴ならば面抜き胴の基本打ち

 

 

相手が素直に打ってくるのに対して、
正確に応じることができないようでは、
試合では使い物になりません。

 

 

ここでは基本打ちができている前提で話を進めていきます。

 

 

基本打ちでは上手に面返し胴を打っているにもかかわらず、
試合では全く出せない生徒がよくいます。
絶対にその技を使うように指示しても、
いつもと全く違う動きをして上手くできません。

 

 

こういった生徒は、
普段の稽古が応じ技の練習のための練習になっている
場合が多いです。

 

 

応じ技の稽古中に、
きれいに技が出せるための練習をしているだけで、
試合で使う場面を考えないので、
どれだけ練習しても全く意味がありません。

 

 

そもそも応じ技は狙って出すよりも、
とっさに出ることが多いはずです。これは
稽古中や試合などの経験で染み付いたものが
とっさの場面に出たものです。

 

 

応じ技が試合で出せない生徒には、
応じ技を出すことを体に染みつけなければなりません。
この場合取り入れる稽古メニューを紹介します。

 

 

試合を想定した場面での応じ技

 

 

引き技を打って相手が距離を詰めて打ってきたときに応じ技をだす。

 

面を打って、その振り向きざまに応じ技を出す。

 

相手が面か小手のどちらを打つか分からない状態で応じ技を出す。

 

 

こういった実際の試合に近い状況を
わざと作りだして応じ技を出すことによって、
とっさの場面で応じ技を出せるようにします。

 

 

特に中学生男子の場合は、
しっかりとお互い構えた状態よりも、
振り向きざまや相手が急に距離を詰めてきた時に
勝負が決まります。

 

 

>>剣道男子の指導方法に進む

 

 

これ以外にも、
遠い間合いから一気に間合いを詰めてから
応じ技を出したり、掛かり稽古の最後に
応じ技を出させたりなどのアレンジもあります。

 

 

大切なのはとにかく試合を想定させて、
どんな場面でも応じ技を出そうとするクセをつけさせることです。

 

6人1組で行う連続の応じ技

 

応じ技にかなり慣れてきたら6人1組になって、
次々に応じ技を出す稽古を取り入れます。
(人数は自由ですが、あまりに少ないと意味がありません)

 

 

一人の生徒に対して
残りの生徒が連続して面や小手を打突し、
それに対して応じ技を繰り出していくものです。
終わったら次の生徒がまた連続で応じ技を出していきます。

 

 

ポイントは

 

 

できるだけ振り向いてすぐに技を出すようにすること。

 

できるだけ中央から動かずに正確に打突することにを最優先にすること。

 

 

この稽古も、初めは出ゴテのみや、
抜き胴のみでゆっくりでやっていきますが、
できるようになってきたら、
技も自由にして、スピードも速いものに変えていきます。

 

 

最初は順番が分からなかったり、
上手くできなかったりしてかなり時間を使いますが、
慣れてくれば回数を変えるだけで
生徒がどんどん進めていけるのでオススメです。

 

 

文章だけでは分かりにくかったかもしれませんので動画を貼ります。
下の動画は岐阜の名門麗澤瑞浪高校の稽古風景です。
こんなに早いスピードではできませんが、
生徒にイメージを伝えるためには最適な動画です。

 

 

 

文章だけでイメージが伝わりにくいところもありますので、
具体的な進め方については別に書きます。
具体的なグループ練習のやり方は
下のページに書いてありますので参考にしてください。

 

 

>>グループで行う稽古メニューに進む

 

最後に

 

稽古をする中で、
ただ漠然とやっていくだけでは上達しません。
自分の弱点や強化したい部分を意識して
それを助けるための稽古が必要です。

 

 

最初に書きましたが、気を付けなければならないのは
すぐに効果を期待しないことです。少なくとも、
一カ月はその稽古を意識してやらなければ
体に染みつきません。

 

 

結果を急ぎすぎて、次々と新しいメニューを入れるのではなく、
じっくり取り組みましょう。

 

 

稽古で体に染みついてきた時に、初めて試合に変化が現れます。
稽古でできないことは試合で急にできるようにはなりません。

 

 

日々の稽古の中で、より自分に合った稽古メニューを取り入れていきましょう。

 

 

>>弱小剣道部が強くなった秘密

 

 

稽古に臨みましょう

 

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>>初心者の練習方法

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