剣道で手元を上げないようにする方法とは?やはり足さばき!

剣道で手元を上げないようにする方法とは?やはり足さばき!

 

 

相手が打突してくる姿勢に入った時に、
ついつい防御姿勢に入ってしまい、
手元を上げてしまう人も多いでしょう。

 

 

時にはそれで出小手を打たれてしまい、
試合で悔しい思いをした人も多いと思います。
私も手元を上げてしまいがちな選手でしたので、
こういった経験が多いです。

 

 


 

 

よく手元を上げるな!我慢しろ!
そういった指導をされていると思います。
私も手元を上げやすい生徒については、
そういった指導を続けていました。

 

 

しかし、いつまでも手元を上げないと、
最終的には打たれてしまいます。
というか、最終的に自分も打突しますので、
手元はいつか上げなければなりません。

 

 

手元を上げてしまうことも
気持ちの問題だと決めつけてしまえば、
それで終わりにすることもできます。

 

 

しかし、それではその生徒の上達は、
止まってしまうことになります。

 

 

どうしたら手元を上げないようになるのか。
私が色々と試行錯誤した結論について、
ここでは紹介したいと思います。

 

 

手元を上げてよい間合いとダメな間合い

 

 

剣道でよく言われる間合いですが、
手元を上げずに我慢する時に、
どこまで我慢をすればよいのか。
そこを超えたらどうすれば良いのか。

 

 

そういったことをまずは生徒に伝えています。

 

 

こちらは触刃の間合いと呼ばれる、
切っ先と切っ先が触れている間合いです。
ここから相手が何かを打ってきたとしても、
ほとんどは避ける余裕がある距離です。

 

 

この距離で相手が仕掛けてきた時に、
手元を上げる初心者の生徒はとても多いです。
まずはこの間合いでは絶対に手元を上げないことを、
定着させなければなりません。

 

 

そしてポイントとなる交刃の間合い。
一般的に一足一刀の間と呼ばれる間合いです。
ここから先は反応しないと相手に打たれてしまいます。

 

 

しかし、簡単に反応してしまうと、
相手にプレッシャーをかけることができません。
ここで大切なのは、よく言われている、
我慢をすることなのです。

 

 

構えが強い(簡単に手元を上げない)選手と立ち会うと、
自然と気持ちが焦ってきてしまいます。
そして中心をとった構えをしていれば、
様々な状況に柔軟に反応することができます。

 

 

中学まではフェイントや早い連続打ちで、
勝ちをとってこれることもあります。
しかし、その先を考えてあげた時に、
構えを崩さず我慢することは大切になってきます。

 

 

ただ、初心者の生徒にとって一足一刀の間合い、
というのはあまりピンとくる距離ではありません。
なのでもう少し分かりやすい距離を示してあげます。

 

 

目に見えやすい明確な距離を示してあげると、
生徒も意識して、そこまでは何とか我慢をしようとします。

 

 

ちなみに私は中結いが相手の中結いと交わるまでは、
手元をできるだけ上げないように指導しています。
もちろんそこまでいってしまうと近間になってしまいますが、
生徒にはそれぐらいの意識を持たせないと、
一足一刀の間合いまで我慢できるようになりません。

 

 

こうしてまずは手元を上げてはいけない距離
そして間合いについて考えさせることが、
手元を上げないための第一歩になります。

 

 

手元を上げないことの最終的なゴールとは

 

 

手元を上げないようにする距離を教えると、
その距離まで相手が入ってくるのを待ったり、
足が止まったりする生徒がよくいます。

 

 

しかし、これでは前に出ていく攻めがなくなり、
本末転倒になってしまいます。

 

 

この手元を上げない指導でもう一つ大切なのは、
自分から攻めて打てる間合いに入ることです。

 

 

自分から構えを崩さず中に攻めることができた状態は、
どんな技を出すにしても有利な状況になります。
そのためにも基本は前に前に少しずつ攻めていき、
相手にプレッシャーをかけることが大切です。

 

 

中心をとって簡単に手元を上げない状態が、
このプレッシャーをかけて攻めていく時に、
より強い攻めを相手に感じさせます。

 

 

ただ、相手も当然前に攻めてきますので、
構えを崩さず徐々に攻めて前に入っていったが、
相手の方が先に一足一刀の間合いに攻め入ってくる。
そんな状況も当然出てくるでしょう。

 

 

このまま打突しても、自分の方が不利な状態で、
打突体勢に入るので、打ち負けてしまう確率が上がります。

 

 

こういう状況で打つことを、私は「合わせて打つ」と定義して、
子どもにも絶対やらないように伝えています。
合わせて打つと相面や出ゴテの餌食になってしまいます。

 

 

この状況は良くないので、もう一度やり直す。そのために、
相手が先に攻めてきたら手元を上げずにパッと下がる練習をさせます。

 

 

ここで大切なのは、
少しずつ下がるのではなく、一気に触刃の間合いまで下がること。
絶対に手元は上げないで、しっかり構えたまま下がること。
この2点です。

 

 

こうすることで、相手が攻め入った状況がリセットされ、
もう一度自分が攻めて間合いを詰める状況をつくれます。
簡単に言うと、下がる足さばきでもう一度仕切り直すのです。

 

 

最終的に自分が攻めて一足一刀の間合いに入った時には、
迷わず思い切って打突に入っていきます。
また、タイミングよくお互い同時に中に入った時にも、
もう打つしかありませんので、思い切って打ちます。

 

 

仕切り直し、自分が攻め入ったタイミングで打つことを、
基本打ちの時から意識させてやっていくことで、
手元を上げずに攻めていく癖がつきますし、
勝負をかけるタイミングも分かるようになってきます。

 

 

この動きが瞬間的にやれるようになるには、
この練習だけではなく、普段の足さばきの練習が、
とても大切になってきます。

 

 

手元を上げてよけたりすることは、
結局足さばきができなかったり、
そもそも足さばきが意識ができていなかったりするのが、
原因だと私は考えています。

 

 

まだ手元を上げる間合いではない時に手元を上げた場合、
「手元を上げるな!」という指導よりも、
「足さばきをさぼるな!」という指導の方が、
生徒もハッとして意識が変わるように感じます。

 

 

 

最後に

 

 

手元を上げない指導のために色々と書いてきましたが、
私自身も試合の時によく手元が上がるのを感じています。
特に中学生と稽古をしている時には、
ついつい手元を上げて打突をよけようとしてしまいます。

 

 

生徒に偉そうなことを言っているので自分も頑張るのですが、
ふとした瞬間にぱって手元があるのです・・・。
結局運動不足で足が動かないだけなのですが(笑)

 

 

今回の話では、自分が前に攻め入った時に限定した、
稽古方法を紹介しましたが、
相手に誘われて、攻め入った瞬間に出頭を狙われたり、
応じ技を狙われたりすることもよくあります。

 

 

今回の話の内容では、そういったところまでは、
もちろんカバーすることはできません。

 

 

しかし、間合いや構えを崩さないことの、
第一歩としてとらえてもらって、
今後の稽古に生かしてもらえたら幸いです。

 

 

 

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