初心者からの剣道指導法を剣道部顧問が教えます

なぜ剣道強豪校は常に勝てるのか。経験者だけが理由なの?

 

 

みなさんは強い学校と呼ばれる、
いわゆる強豪校を見たことがありますか?

 

 

その年だけ偶然強くて勝てました。
スーパースターの子が入ったから強いです。
といった学校というのは、
残念ながら強豪校とは呼ばれません。

 

 

常に強い。良いメンバーが揃っていなくても、
やっぱり最後は勝ってくる。
優勝はできないかもしれないけど、
入賞争いには食い込んでくる。

 

 

そんな学校のことを強豪校と呼ぶでしょう。

 

 


 

 

経験者の子が入ってくるから、
毎年強い子が入ってくるから、
だから強豪校なのだと、
私はずっと考えていました。

 

 

もちろんそれも大きな理由だと思います。
しかし、一緒に練習をさせてもらったり、
生徒や顧問の先生と話をさせてもらったりする中で、
それ以外の大きな力があることを知りました。

 

 

今回は、剣道強豪校がなぜ強豪校でいられるのか。
そんなことを考えていきたいと思います。

 

強豪校は強い子がやはり集まるのか

 

 

今回剣道の強豪校を考えた時に、
私の中でいくつかの学校が出てきました。
練習試合をさせていただいたり、
今も仲良くさせてもらったりしている学校もあります。

 

 

地域などがバレてしまうので、
具体的な学校名は出せませんが、
関東でも名前の通った学校ばかりです。

 

 

それらの学校の共通点を考えると、
強豪校の特徴の一つとして、
地域に強い道場があることがあげられます。

 

 

小学校時代から県でトップレベルだった選手が
集まる学校は、やはり強いです。
中には越境入学してその学校に通う生徒もいるので、
ますます強くなっていきます。

 

 

>>越境入学っていいの?に進む

 

 

しかし、トップレベルの選手が集まる学校も、
あくまで、集まりやすいというだけで、
少子化の現在、時にはそれほど良い選手が、
集まらない年もあるようです。

 

 

練習試合などを私の学校がやらせてもらっても、
良い勝負ができたり、時には勝てる時もあります。

 

 

しかし、最後の最後、夏の大会の前ぐらいに、
強豪校は毎年大きく変わってきます。

 

 

急激に選手が伸びて来たり、大事な場面で、
選手がすごい力を発揮したりするのを、
私は何度も目にしてきました。

 

 

もちろん私の学校と比べれば良い選手が集まります。
しかし、その子達の成長をみると、強豪校とは、
決してただ強い子が集まっているだけではないのです。

 

 

最後は気持ちが左右する

 

 

剣道という競技は、対人競技であり、短い時間の間で、
相手を倒さなければなりません。そのため、
精神的なものが勝敗を大きく左右します。

 

 

中学生の試合時間は3分間。この間どれだけ自分の気持ちを、
良い状態に持っていけるかが大切になってきます。
そのためにも、試合前に自分の気持ちを、
十分上げていく必要があるのです。

 

 

自信をもって試合に臨む
自分の方が強いと信じて戦う
仲間との絆を信じていけばいい
今まで練習してきたことを信じて

 

 

色々な声かけをする中で、
生徒の気持ちを上げようと私も考えます。

 

 

しかし、最後に生徒にやらせることは、
自分の力を「信じさせること」になってきます。

 

 

少し宗教的な印象を受けるかもしれませんが、
この「信じる」気持ちというのは、
パフォーマンスを120%以上引き出すこともあるし、
逆に50%くらいまで落としてしまうこともあります。

 

 

そして、強豪校はこの「信じる」力を、
しっかりと生徒に持たせることができるのです。

 

 

先輩が今まで勝ってきた姿。
武道場に飾ってある写真や賞状の数々。
周りが自分たちをみる目。

 

 

自然と、「自分たちは強いんだ」という自信が、
生徒達には湧いてくるようです。

 

 

強豪校とは程遠いですが、
市内では優勝できるくらいの私の学校ですら、
市内の大会では自信をもって戦えています。

 

 

もっというと、強豪という看板は、
自分の力を引き出すだけではなく、
相手の力を下げてしまう力もあります。

 

 

この学校には絶対に勝てないと思うと、
自然と自信と力が無くなってきてしまいます。
何もなければ負けない相手ですら、
容易に結果がひっくり返ってしまうのです。

 

 

強豪校になるにはどうすれば良いか

 

 

強豪校と呼ばれる学校にするには、
やはりある程度の時間が必要になってきます。
生徒たちのプライドを高めてあげることも含めて、
それなりの時間が必要になるのです。

 

 

そういった気持ちを高めてあげる手段に、
強豪校と練習試合を何度も行う
という方法があります。

 

 

自分たちが絶対に勝てないと思っている相手と、
試合をし、機会があれば稽古も一緒にできます。

 

 

その中で、意外と戦えることを知ったり、
自信をつけられるような場面があったりすれば、
実際の試合でも、自分たちの学校の力を、
信じられるようになっていくのです。

 

 

私の学校も、強豪校と呼ばれる学校と、
年に何度か一緒に稽古をやらせてもらっています。
その中で自然と生徒達も、自分が高いレベルに、
いるような錯覚をしてくれるのです(笑)

 

 

最後に

 

 

まだ剣道部の顧問になったばかりのころに、
強豪校は強い選手が集まっているのだから、
勝てるようになるのは当たり前だ。
そんな風に考えていた時期がありました。

 

 

しかし、何度も彼らの試合を目にしていく中で、
そうでは無いということを実感できました。

 

 

もちろん良い指導者と良い稽古を繰り返し、
練習試合などでも高いレベルで行っているので、
当然強くはなっていきます。

 

 

ただ、それだけでは説明できない力が彼らにはあり、
それは彼らの根本からくる自信なのです。

 

 

私もまだまだ勉強中ですが、
そういった学校に少しでも近づけるように、
これからも学んでいきたいと思います。

 

 

 

 

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